厚生労働省のデータによると、美容室の数は全国に約24万軒あります。
ちなみにコンビニの店舗数は約5万軒、つまり美容室はコンビニの5倍近くの店舗数が存在するのです。
美容室の店舗数が増え続ける反面、自分に合った美容室に出会えない「美容室難民」と呼ばれるユーザーが急増しています。
そこで何故、自分に合った美容室に出会えないのかといった疑問を解決しつつ、美容室が抱えるリピート率の実態と自分に合った美容室を選び方のコツを紹介します。
美容室のリピート率の裏側
全国の美容室の新規客の平均リピート率は30%と言われています。
つまり7割近くのユーザーが美容室でのサービスに不満点があり、もっと良い美容室を探し続けているということです。
また、株式会社リクルートライフスタイルの調査結果によると、ユーザーが美容室を乗り換える理由の上位3つは以下のようになります。
- 接客(接客態度が悪い、喋り過ぎる、自慢話や悪口を言う、話が合わない)
- 技術(施術・技術レベルが低い)
- 効果実感(仕上がりが良くない、スタイルが長続きしない)
参照:株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー
美容室を乗り換える理由として最も多いのが、カット技術に対してではなく、スタッフの接客に対しての不満なのです。
何故、上記のように自分に最適な美容室に出会えないユーザーが多いのでしょうか。
それはそもそも美容室を選ぶ基準が間違っているからです。
美容室を選ぶ手段
実際に大阪経済大学で行われた美容室に関するマーケティング調査によると、20代女性の美容室の選ぶ手段は以下のようになっています。
家族や知人の紹介 | 37.4% |
---|---|
ホットペッパービューティー | 33.2% |
店頭看板 | 13.9% |
チラシ・フリーペーパー | 7% |
ホームページ | 2.7% |
10年前まではランクインすらしていなかったホットペッパービューティーを参考にして美容室を決めているユーザーが33%おり、1位の「知人からの紹介」と対等しています。
ホットペッパービューティーの登場
ご存知でない方も多数いらっしゃると思いますが、ホットペッパービューティーとは、リクルートスタイルの運営するWEBサイトであり、日本全国の美容室の情報を検索することができます。
また、WEBサイト経由での来店予約を取ることもでき、ホットペッパービューティー経由での予約でしか使用できない割引クーポンが多種多様にあることから、近年爆発的に利用者を伸ばしています。
一見、とても便利なように思えてしまうホットペッパービューティーですが、利用するにあたって1つだけ大きな落とし穴があるのです。
それを理解するためには、まずホットペッパービューティーの仕組みを理解する必要があります。
掲載順位の仕組み
ホットペッパービューティー使用して地域検索をすると、Google検索と同じようにお店の情報が縦並びに表示されます。
当たり前の話ですが、掲載順位が上であればあるほどユーザーの目に留まる機会も増え、予約の増加につながります。
ちなみに、ユーザーの7割は1ページ目の情報しか見ておらず、2ページ目以降に掲載されている店舗はユーザーの目に触れる機会すらありません。
つまりお店側にとってはホットペッパービューティー内での「掲載順位」は客足を左右する大きな要因であると言えます。
しかしこの掲載順位というのは一体どのようにして決められているかご存知でしょうか?
Google・Yahoo検索などブラウザの場合は、その美容院の実際の知名度や評判、ホームページの質(正しい情報がわかりやすく記載されているか等)など様々な情報が掲載順位を決める要因となります。
つまり、掲載順位が上位=良質な美容院という方程式がある程度は成立すると言えるのです。
一方、ホットペッパービューティーでは掲載順位が「広告費用」で決まります。
少し悪い言い方をすると、掲載順位をお金で買えるのです。
つまり、掲載順位が上位=良質な美容院という方程式が一切成立しなくなります。
ここで、ホットペッパービューティーを利用する際の落とし穴(デメリット)という先ほどの話に戻ってみたいと思います。
利用するデメリット
ホットペッパービューティーは、割引クーポンなどが利用できる大変素晴らしいWEBサイトですが、美容室選びの判断材料にしてしまうのは危険です。
私たちは普段からGoogle検索を利用しているため、上位に掲載されている=良質な商品であると自然に認識しています。
しかしホットペッパービューティー内ではこの常識は一切通らないため、上位に掲載されていることを基準にして美容室を選ぶのは正しい判断方法ではないのです。
しかし、掲載順位を基準に美容室を選ぶユーザーは非常に多く、その流れが結果的に美容室難民増加の原因となっています。
そもそも、ユーザーに満足していただけるサービスを提供している美容室は自然とリピーターも増えるため、広告費を支払ってまでホットペッパービューティーに集客を頼る必要はないのです。
もちろん、店舗規模によっても状況が変わってくるため一概にそうであるとは言えませんが、道理としては間違いのないことですので1つの考え方として覚えておくと良いでしょう。
美容室の正しい選び方
ここまで間違った美容室の選び方を解説してきましたが、最後に正しい美容室の選び方をいくつかご紹介したいと思います。
口コミ
口コミとは、インターネット上に投稿された口コミではなく家族や知人からの情報を指します。
誰が投稿したのかも解らないネット上の口コミより、実際に知人から教えてもらった情報が一番正確です。
また、美容室に限ったことではありませんが、常連客からの紹介となればお店側も手厚いサービスでもてなす傾向にあります。
ホームページ
ホームページで最もチェックするところは、スタッフのブログ記事です。
ホームページ自体は制作会社の作るものですのでホームページの質はサービスの良し悪しに比例しませんが、ブログ記事だけは美容室のスタッフが書いたものです。
ブログ記事も店舗によって内容は様々で、髪に関する最新情報をマメに配信している美容室もあれば、ランチに何を食べたかなどの中身のない日記を配信している店舗もあります。
この両店舗のどちらの方が、一生懸命にお客さまと向き合っているでしょうか?
ホームページのブログを見れば、その美容室の仕事への情熱、向き合い方が一目瞭然です。
まとめ
ここまでホットペッパービューティーに関する情報を中心に美容質の選び方を解説してきました。
一部、ホットペッパービューティー批判のように見える箇所もありますが、私はホットペッパービューティーを素晴らしい予約ツールだと考えています。
しかし、美容室選びの判断材料としては実際の評判・口コミに勝るものはないでしょう。