縮毛矯正と酸熱トリートメントはどちらも髪を艶髪ストレートにするメニューです。
しかし、ネットやインスタの画像を見ただけではどちらをやれば良いのか分からない方もいるはず。
実は、縮毛矯正と酸熱トリートメントは髪質によって相性があり、相性の良い髪に行わないと効果を発揮できない可能性もあるのです。
状況によって縮毛矯正と酸熱トリートメントをしたことで髪質を悪くしてしまう可能性もあるほど。
高いメニューだからこそ無駄にしてはいけません。
- 縮毛矯正と酸熱トリートメントの特徴
- 縮毛矯正と酸熱トリートメントの注意点
- 縮毛矯正と酸熱トリートメントの施術の流れ
- 施術後のヘアケア方法
本記事を最後まで読めば、どちらが自分に合ったメニューなのかを知ることができます。
縮毛矯正とは
縮毛矯正は薬剤と熱の力を利用してくせ毛を伸ばすメニューです。
酸熱トリートメントとは違って、くせ毛改善に特化している点が大きな特徴です。
くせ毛は髪内部にあるタンパク質の繋がり、シスチン結合のずれによってくせ毛が現れますが、シスチン結合のズレを無くしてストレートに仕上げるのが縮毛矯正の効果です。
具体的な施術工程は以下の通り。
- 1剤でシスチン結合を切り離す
- 放置後、1剤を流す
- ブロー&アイロンで髪を真っ直ぐにする
- 2剤でシスチン結合を元に戻す
- 放置後、2剤を流す
- ドライ&仕上げ
髪の長さや毛量によって異なりますが施術時間は約3〜4時間ほどです。
くせ毛の度合いによって異なりますが持続力は4か月〜半年だと思って下さい。
酸熱トリートメントとは
酸熱トリートメントや特殊なトリートメントと熱の力を利用して髪質を強化、質感を良くするメニューです。
縮毛矯正と違って、髪質を良くする点に特化していることが大きな特徴です。
名称に「トリートメント」と付きますが、通常のサロントリートメントとは効果や仕上がりは大きく異なります。
ダメージが多い毛髪の修復をすることもできるので、ダメージケアメニューとして扱われる場合もあります。
具体的な施術工程は以下の通り。
- トリートメントを塗布
- 放置後、トリートメントを流す
- ブロー&アイロンで化学反応を発生させる
- 仕上げ
髪の長さや毛量によって異なりますが施術時間は約1〜2時間ほどです。
トリートメント塗布が1回だけなので、縮毛矯正より施術時間が短くなる傾向があります。
持続力は約1か月ほどで、ホームケアの有無によって持続力が変わる場合もあります。
結論、縮毛矯正・酸熱トリートメントはどんな人におすすめ?
本項目では、縮毛矯正と酸熱トリートメントどちらをすれば良いのか迷ってる人に向けて「向いている髪」「向いていない髪」の特徴を詳しく解説致します。
縮毛矯正がおすすめな人
以下の特徴に当てはまる方は縮毛矯正が向いている髪質です。
- くせ毛、うねりを真っ直ぐ伸ばしたい
- 髪の広がりを抑えてボリュームダウンさせたい
- 髪のダメージが少ない
- 常時、艶髪ストレートを維持したい
とにかく、くせ毛を直してストレートにしたい、波状毛や縮れ毛などの頑固なくせ毛に悩んでいる人に縮毛矯正は有効です。
縮毛矯正をすれば朝のスタイリング負担を大幅に軽減することも可能です。
しかし、くせ毛が弱い髪に縮毛矯正をかけると「不自然なペタンコ髪」になる恐れがありますので、必要に応じて部分施術の検討があります。
また、ダメージが大きい髪に縮毛矯正を行うと髪がチリチリになるビビリ毛になってしまう可能性があるため、ダメージの度合いによって縮毛矯正をかけられない場合もあります。
酸熱トリートメントがおすすめな人
以下の特徴に当てはまる方は酸熱トリートメントが向いている髪質です。
- 軽めのくせ毛、広がりが気になる方
- 髪にハリ、コシを出したい方
- 髪にダメージがある
- エイジング毛
総じてみると、酸熱トリートメントはダメージが進行している髪、細毛や柔毛、年齢を重ねたことによってでてきたうねりのある髪やハリコシが無くなった髪(エイジング毛)に向いていると言えます。
髪の修復だけでなく、髪にハリやコシを与え、力強い髪に導く効果があります。
酸熱トリートメントはダメージケアに大きな効果を発揮しますが、逆を言うとダメージのない髪にはほとんど効果がありません。
ダメージのない毛髪に酸熱トリートメントをしてしまうと、髪質が硬くなったり、パサつきやゴワつきがきにる可能性があると言われています。
縮毛矯正と酸熱トリートメント施術の所要時間と料金の違い
縮毛矯正と酸熱トリートメントの所要時間と料金には明確な違いがあります。
縮毛矯正は薬剤と高温のストレートアイロンを用いて髪の内部構造を変えるため、施術時間はおおよそ2.5〜4時間程度かかります(髪の長さや量によって変動)
縮毛矯正の料金は15,000〜25,000円前後が一般的で、美容室のランクや使用薬剤によってはそれ以上になることもあります。
一方、酸熱トリートメントは、グリオキシル酸などの成分を使い、髪表面のダメージ補修やうねりを緩和する施術です。
酸熱トリートメントの施術時間は1.5〜2.5時間程度で、縮毛矯正より短めです。
料金は8,000〜15,000円前後と、縮毛矯正と比べると安めですが通常のサロントリートメントと比べると高額な傾向があります。
まとめると、縮毛矯正は時間も費用もかかるが効果が長持ちし強力、一方で酸熱トリートメントは時間・費用ともにやや軽めで髪への負担も少ないが、効果は穏やかという違いがあります。
希望する仕上がりや髪の状態に応じて選ぶことをおすすめします。
縮毛矯正とカラーは同時にできる?
縮毛矯正とヘアカラーの同時施術は髪の状態を配慮すれば可能です。
近年、縮毛矯正の薬剤が進化しているので、髪へのダメージを最小限に抑えながら施術できるようになっているのです。
美容師さんが髪の状態をしっかりと見極め、適切な薬剤選定や施術手順を行うことで、両方の施術を一度に行っても髪の健康を大きく損なうリスクを抑えることができるのです。
しかし、髪への負担が大きくなる可能性もあるため、髪質やダメージの程度によっては別日に分ける方が望ましいケースもあります。
縮毛矯正とヘアカラーの同時施術を希望する際は、信頼できる美容師と十分に相談した上で決めることが大切です。
酸熱トリートメントとカラーは同時にできる?
酸熱トリートメントとヘアカラーは、施術内容によっては同時に行うことが可能です。
酸熱トリートメントが髪の内部補修を目的としたトリートメントであり、基本的にカラーと併用しても大きな化学反応が起こりにくいとされています。
また、施術の順序や使用する薬剤を適切に調整すれば、カラーによるダメージを酸熱トリートメントが補修し、色持ちの向上や手触りの改善といった相乗効果も期待できます。
しかし、酸熱トリートメントに含まれる酸の成分が、カラーの色味に影響を与える可能性もあるため、使用薬剤の選定や施術手順には専門的な判断が必要です。
酸熱トリートメントとヘアカラーの両方に詳しい美容師に相談し、髪の状態に合わせて慎重に施術を進めることが大切です。
縮毛矯正と酸熱トリートメントの施術後にしてはいけないこと
縮毛矯正と酸熱トリートメント、どちらの施術後にやってはいけないことがございますのでご紹介いたします。
施術当日にシャンプーをする
縮毛矯正と酸熱トリートメントの施術当日にシャンプーをしてはいけない理由は、薬剤またはトリートメントで髪の内部構造を変化させたばかりの状態なので髪がとてもデリケートだからです。
縮毛矯正は、髪のクセを伸ばすために一度髪の結合を切断し、その後熱(アイロン)と薬剤で新たな形に固定するという化学的な処理を行った後に髪に定着するまでには時間がかかるのです。
施術後にすぐシャンプーをしてしまうと、水分や洗浄成分によって薬剤やトリートメントの定着が弱まり、クセが戻ったり、うねりが出たりするリスクが高まります。
また、摩擦や刺激によって髪がダメージを受けやすくなる可能性もあります。
縮毛矯正と酸熱トリートメント後は最低でも24〜48時間ほどはシャンプーを避けましょう。
髪を結ぶ、耳に髪をかける
縮毛矯正と酸熱トリートメント施術当日に髪を結んだり、耳にかけたりしてはいけない理由は、髪の形状がまだ完全に定着しておらず、物理的なくせ毛がつきやすい状態にあるためです。
薬剤&トリートメントと熱処理によって髪の内部構造を整える施術ですが、その変化は施術直後に完全に固定されるわけではありません。
髪内部の結合が安定するまでには時間がかかり、通常は24〜48時間程度が目安とされています。
この期間にゴムで結んだり、ピンで留めたり、耳にかけたりすると、その部分に折れや跡が残りやすく、せっかくのストレートや質感が崩れてしまうことがあります。
特に耳にかけるクセは無意識にやってしまいやすく、耳の周辺だけうねったり、浮いたような仕上がりになることもあるため注意が必要です。
施術後は髪を自然な状態で下ろしたままにして、形がしっかりと定着するまで極力触らないようにすることが、きれいな仕上がりを長持ちさせるために大切です。
直近でヘアカラーをする
縮毛矯正や酸熱トリートメントを施した直後にヘアカラーをしてはいけない理由は、髪の内部がまだ非常にデリケートで不安定な状態にあるためです。
施術直後は髪の結合や補修部分が完全に安定しておらず、その状態でヘアカラーの薬剤を使うと、過度なダメージを受けやすくなります。
縮毛矯正や酸熱トリートメント後は、髪の状態が安定するまで通常1〜2週間程度の期間を空けてからヘアカラーを行うことが推奨されています。
コテで髪を巻く
縮毛矯正や酸熱トリートメントの施術後にコテで髪を巻いてはいけない理由は、髪の内部構造がまだ不安定な状態にあり、高温による負荷をかけることで、形状の定着に悪影響を与えたり、ダメージを悪化させる可能性があるためです。
コテなどで髪に強い熱とテンションを加えると、熱変性によってクセがついたり、折れたり、施術の効果が弱まってしまうことがあります。
特に酸熱トリートメントは「熱の力で定着させるトリートメント」ですが、過度な熱処理は髪を硬くさせたり、乾燥やパサつきの原因にもなります。
そのため、施術後すぐのコテ巻きは避け、髪が安定するまでの期間はストレートの状態を保ち、極力余計な熱処理やスタイリングを控えることが、美しい仕上がりを長く保つうえで重要です。
縮毛矯正と酸熱トリートメントのよくある質問(FAQ)
縮毛矯正と酸熱トリートメントについてよくある質問をご紹介致します。
どちらを先にやるべき?
縮毛矯正と酸熱トリートメントの両方を行う場合は、基本的に縮毛矯正を先に行うべきです。
縮毛矯正は髪の内部構造を変えてクセを伸ばす施術であり、髪の形状そのものに影響を与えるため、最初に行うことで髪のベースを整えることができるのです。
一方、酸熱トリートメントは、髪の内部を補修しながらハリやツヤを与えるトリートメントで、縮毛矯正ほど強く形を変える力はありません。
もし酸熱トリートメントを先に行ってしまうと、その成分が髪の内部に残ることで、後から行う縮毛矯正の薬剤が浸透しにくくなり、クセがしっかり伸びない可能性があります。
そのため、まず縮毛矯正でクセをしっかりと伸ばし、数日〜数週間後に酸熱トリートメントで補修とツヤを加えるのが理想的な順序とされています。
しかし、髪のダメージが強い場合や髪質によっては、施術のタイミングや方法を調整する必要があるため、事前に美容師とよく相談することが大切です。
くせ毛を伸ばすならどっちが良い?
くせ毛を伸ばすことを目的にするならば縮毛矯正がおすすめです。
縮毛矯正自体が、くせ毛をストレートにするための施術であり髪表面だけの変化ではなく、毛髪の内部構造を薬剤で変化させることでストレートヘアを維持できるようになります。
酸熱トリートメントは、髪の広がりやボリュームを抑える、艶を出すなどの効果が期待できるため、髪の広がりが気になる方は酸熱トリートメントで悩みが解消するかもしれません。
仕上がりの見た目が変わらないのはななぜ?
縮毛矯正と酸熱トリートメントは施術の目的や方法が異なりますが、どちらも髪にツヤやまとまりを与え、クセや広がりを抑える効果があるため仕上がりの見た目が似ていると感じます。
どちらも髪がしっとりと落ち着き、ツヤのあるストレート風の見た目になるため、外見での違いが分かりずらいです。
しかし、縮毛矯正はクセを根本からまっすぐに伸ばすのに対し、酸熱トリートメントはあくまでダメージ補修と軽いクセ抑えの効果であるため、髪質やクセの強さによって持続期間や仕上がりの「ストレート効果」に違いが出る点が異なります。
まとめ
縮毛矯正と酸熱トリートメントはどちらも髪を綺麗なストレートに見せるメニューですが、目的によって行う内容が異なります。
自分がどちらをすべきかは髪の状態によって変わります。
縮毛矯正とストレートパーマどちらをすべきか迷った場合は、美容師さんと相談して相性の良いメニューを選びましょう。